しなやかな陣形         札幌オープン2005/9/10

講師:望月 正行

 

Modern Backgammon (2001,by Bill Robertie)の中で、ロバティは4つの基本原理を

発表しています。

 

    Efficiency (効果的な駒の配置)

    Connectivity (駒の連携)

    Non-Commitment (次手に制約をかけない)

    Robustness (しなやかな陣形)

 

上3つは比較的よく知られた概念ですが、最後のRobustness はまだあまり一般的では

無いようです。しかし、中級者が上級者になる上で欠かせない考え方ですので、今日は

このテーマについて講義しようと思います。

 

しなやかな陣形とは?

 

しなやかな陣形とは、余力を多く溜めた、最高形になる一歩手前のポジションの

ことを言います。したがって次に多くの良い目を持っています。

しなやかな陣形の反対は、「固いがもろい」陣形です。様々なポイントをもっていますが、

形が仕上がってしまったため、次からは必ず崩れていきます。

粘土と陶器の関係に似ています。

 

例として下のポジションを考えてみてください。

 

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固いがもろい形

 

作っているポイントは多いが、ストリップ状態のために次に必ず何かを崩さなければ

ならない。陶器のように仕上がっているが、あとは壊れるだけ。

 

しなやかな形

 

作っているポイントは少ないが、全てのポイントにスペアマンがあり、次も、その次にも

良い目が多い。結果、最も重要な4プライムを長く保つことが出来る。粘土のように

これからいかようにも変化していける。

 

例題1

 

 

 

しなやかな形がどのようなものか分かってきたでしょうか?

それではしなやかな陣形を作る具体的な例を紹介していきます。

 

  不要なポイントを捨て、スペアマンを作る

 

 

 

 

ポイントを多く持ちすぎることは、自分の自由度を下げることにつながります。

そして結局重要なポイントを失ってしまったり、形がどんどん悪くなったりします。

 

最も大切なもの(インナーボード、プライム、キーとなるポイント、タイミング)を守るため

リスクの低い時に積極的にポイントを捨てていきましょう。

 

 

 

 

  ポイントを捨てて、ボードを長く保つ

 

 

 

 

ボードがまだ保てるのに、あえてポイントを捨てるというプレイは非常に発見しづらいものです。

常に1手先を考えてください。

1手先に結局ポイントを外してしまうならば、今外した方が安全ではないか?

     あるいは、外すことさえ出来ずにボードが崩れてしまうのではないか?

 

今、この瞬間だけ安全なプレイは後々に非常に危険なプレイであることも多いのです。

 

 

 

Problems

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