計測自動制御学会システムインテグレーション部門スワームロボティクス調査研究会のサイトです.
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講演会:「知能の始原を探る - 動物行動学と制御学から- 」
主催:計測自動制御学会SI部門 スワームロボティクス調査研究会
日時:2013年7月9日(火)13:00 〜 17:00
会場:北海道大学 クラーク会館・3階「大集会室」 (札幌市北区北8西8)
http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_110530/data/kikin-kaijo_hokkaido.pdf
13:00-13:10:受付け
13:10-13:20:主催挨拶(副主査 大倉和博)
13:20-15:00:講演1
講演者:大須賀公一(大阪大学)
講演題目:現象学的制御学による知能の始原の探求について
概要:本講では,「動くモノ」に対して抽象的に感じることがある「知能」をできるだけ具体的に理解するための接地点を求めることを考える.そのために「知能を感じる条件」を考察し,それをもとに「知能の始原」を特定することを試みる.その結果,知能の始原はそのモノの身体と場の相互作用に存在するという考え方が導かれる.そしてその作用を数理的に理解するには制御学の考え方を導入することが妥当であるという考えを示す.最後に,この考え方に則っていると見える事例をいくつか紹介する.
15:00-15:15:休憩(15分間)
15:15-16:55:講演2
講演者:長谷川英祐(北海道大学)
講演題目:働かないアリに意義がある
概要:女王とワーカーがコロニーを作って暮らすアリはとても働き者であると思われています。しかし、巣の中を観察してみると、ある瞬間には7割ほどのワーカーは何もしておらず、長時間観察しても、1〜2割のワーカーはほとんど労働と見なせる行動を取りません。アリは案外働き者ではないのです。ここで、働かないハタラキアリがいつも存在するようなシステムは、全員がいつも働いているシステムよりも必ず、短期的な生産性が低くなります。コロニーの生産性を高めるように自然選択が働いているはずのアリで、なぜ一部がいつも働かなくなるようなことが進化しているのでしょうか。本講演ではこの問題を、科学の両輪であるHow(どのような機構で起こっているのか)とWhy(なぜそんな機構が存在するのか)の疑問から解明します。その課程で、システムの進化を考えるとき、従来の進化理論で軽視されていた、存続性の確保という観点の進化的重要性を明らかにしたいと考えています。
16:55-17:00:主催挨拶(主査:松野文俊)