計測自動制御学会システムインテグレーション部門スワームシステム部会のサイトです.
スワームロボティクス調査研究会(2011〜2013年)は,2014年からスワームシステム部会として活動を継続します.
今後ともよろしくお願い致します.
以下の通り,講演会を開催致します.奮ってご参加ください.
14:00-14:10:受付
14:10-14:20:主催挨拶(副主査 大倉和博)
14:20-16:00:講演1
講演者:石黒章夫先生(東北大学 電気通信研究所)
講演題目:動物の適応的運動機能に潜む制御原理の解明を目指して
概要:生き物は,身体に有する膨大な自由度を巧みに操りながら,予測不能的に変動する実世界環境にうまく適応している.このからくりが理解できれば,生物学的にはもちろんのこと,ロボット工学的にも大いに資することが期待できる.しかしながら,生物制御のからくりを抽出(数理モデリング)する過程では,さまざまな恣意性が入る可能性が否めない.その結果,当該現象をうまく説明できうる「スッキリと本質を掴んだ」数理モデルを構築することは困難を極めるのが普通である.本講義では特に,四脚動物の脚間協調現象に内在する自律分散制御のからくりの抽出に関するわれわれの事例研究を採り上げる.正直に言いましょう.この事例研究は,モデリングがたまたまうまくいき,われわれ自身も当初は想像できなかったようなラッキーな結果がぞろぞろと出つつある研究である.それゆえに,この事例研究の成果からは学ぶべきことがたくさん詰まっていると思うので,そこから生き物が示す「コト」のモデリングの際のツボと注意点(罠)を,後付け説明をしながらみなさんと一緒に議論したいと思う.
16:00-16:15:休憩(15分間)
16:15-17:55:講演2
講演者:河田雅圭先生(東北大学大学院 生命科学研究科)
講演題目:生物はなぜ適応を妨げられるのか
概要:自然選択による進化の古典的な考え方で,進化の方向性や速度は自然選択によって制限されていると見なされてきた.また,行動生態学の分野では,最適な行動が進化するという作業仮説をもとに研究がなされている.しかし,生物進化の機構には,適応進化を制限する様々な要因が存在する.また,進化しやすい生物や性質がある一方で,進化が制限されている生物や性質がある.さらに,そのような進化可能性や制約を創り出す要因の一つは遺伝的変異の維持・創出機構にある.遺伝的変異量に影響する要因として,生物の移動分散,遺伝子と表現型の関係,遺伝的基盤(ゲノム構造や遺伝子制御ネットワーク構造など)が重要である.本講演では,適応進化を妨げる要因,あるいは促進する要因とその重要性について議論する予定である.また,同時に生物個体の適応と集団の適応との関係についても議論したい.
17:55-18:00:主催挨拶(主査:松野文俊)